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静岡県中川根町

 

1 徳山の盆踊り
民俗芸能の国宝ともいう神事芸能はこの地域の誇りです。8月15日徳山浅間神社の例大祭神事には取材と見学のために各地から多くの人達がおとづれました。
この芸能の由来は東海道の交通要所に当り、多くの芸能保持者が往来したために、京都の雅びの文化がこの地にももたらされました。当時は年貢は五穀の全納でしたが、幸いにして駿府に運べば、高く売れる特産のお茶があったので比較的裕福でありました。その余裕もあり若者たちは仕事が終わると踊りや狂言にいそしむことが出来たのでしょう。ここの形態は初期歌舞伎踊りの仕組みを伝承するもので、これに動物仮面の風流が備えられ、地域的な特色に富んでいるところから、昭和62年12月28日国指定重要無形民俗文化財となりました。「ヒーヤイ踊り」「狂言」「鹿ン舞」の3つが伝えられています。

 

2 徳山神楽
江戸中期から伝承されており、特に江戸時代に記された「神楽歌」が現在の残っています。神の舞い、倭舞い等16種類の舞いは伊勢神楽の系譜とも言われております。神楽は徳山神社で行われ、このように多くの種目が残され、降神の式、神楽式、神送りと一貫した儀式が行われる神楽は珍しく貴重な所から、平成8年3月12日県指定無形民俗文化財となりました。継承は中川根町徳山古典芸能保存会によって支えられています。全国どこでも共通していますが、ここの課題でも、後継者育成と芸の伝承でした。特に民俗芸能の継承は多彩な技を伴うために、極めて高度な訓練が必要です。しかも昔を伝える風俗・習慣も習得しなければ心を込めた演技が出来ません。演技は全体構成から成立しているのでチームワークも大切です。
小子化や生活の変化によりいつ途絶えるか、常に不安に伝えなければならない状況になっています。現在は中学生たちにより維持されていますが、それも年長になると自然に止めてしまう傾向にあります。幸い指定無形民俗文化財ということで、町民の誇りとして生きており、多くの観光客に喜ばれています。今後は観光ネットワークを構築して、観光施策の一つとして利用方法を検討しております。特筆すべきことは徳山の盆踊りの場合、当番制度を設けて誰某は今年は当番にあたるので、祭りの面倒を見なければならない制度になっています。その事が人口の流失を防いていますが、その根底にあるのは「お茶畑」が極めて効果的に生活を支えているか

 

 

 

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